店舗内装工事前に知っておくべきスケルトン工事の注意点
賃貸借契約によって借りていた飲食店、オフィス、美容院等の店舗を退去する時には原状回復して明け渡さなければなりません。
なぜなら、「テナント内を入居前の状態に戻して、オーナー側に返却する」と契約書に明記されているからです。
入居したときに新装した備品や内装は、専門の解体業者によって解体され「スケルトン」という骨組みが見える状態にします。
契約切れにしても、売り上げ不振での退去にしても、テナントオーナーにとっては大変な状況であることに変わりありません。
店舗内小解体において、「基本スケルトン渡し・スケルトン返し」が基本となります。
だからこそ、店舗内装工事前にトラブルを想定して、費用の増加を招くポイントをつぶしておきましょう。
そもそもスケルトン工事とは…
スケルトン工事は、構造体(躯体)以外すべてのものを解体することです。
最終的には、以下のような造作・設備を全部撤去することで何もない空っぽな状態になります。
- 間仕切り・天井・床
- エアコン・電気配線・排気ダクト
- 什器・厨房機器
- テーブル・椅子・パーテーションなど
よくある鉄筋コンクリートのビルなら、無機質な打ちっぱなしのコンクリートだけという状態になります。
余計なものが姿を消し、骨組みだけが残されることから「スケルトン」と言われています。
原状回復工事は、借りた時の状態にを回復する工事で、借りた時の状態がスケルトン状態であったなら「原状回復工事」はすなわち「スケルトン工事」ということです。
目に見えない箇所をしっかりと把握しておく
店舗内装解体工事は、最初に必ず解体業者に現地調査をします。
そうしないと正確な見積もり出せないからです。
その時注意しなければならないのは、目に見えない部分のチェックが不十分なことです。
目視できない代表的な個所といえば…
- 思った以上に厚いコンクリート壁
- 思わぬところを通っている配管
といったところでしょうか。
工期が長くなることで追加料金が発生することになります。
対策としては、業者と立会う現場調査の時に…
図面や新装工事の写真からコンクリートの厚さ、配管や電気配線の正確な位置を把握して、より正確な見積書を業者に作成してもらうことです。
業者・オーナーとしっかり共有することで、追加費用など無駄な出費を抑えることになります。
見積書を依頼するに解体範囲をオーナーと確認する
店舗内装解体のとき、解体範囲の確認です。
これは工事着手前にオーナーを巻き込んで必ずやるべきことのひとつです。
スケルトン状態で借りた契約書に原状回復とあっても、オーナーの意向ですべてを撤去する必要がなくなります。
よくあるオーナーの希望で残してほしいもの
- あなたが取り付けた間仕切りや照明
- あなたが設置した厨房機器や備品・家具
オーナーと直接会って、内装解体の範囲を話し合うことで、あなたにとって解体費用を抑える絶好の機会が訪れます。
これは費用をコストダウンのみならず、工事後にオーナーや業者とのトラブルを回避する上でも重要です。
現地調査の確認事項を文書にして残す
注意事項2の解体範囲の確認とも関連しますが、現地調査のときにオーナーと確認したこと及び決めたことは、文書にして残すことを忘れないでください。
これは、オーナー側に管理会社が存在するときには、必ず実行してください。
よくあるトラブルは、管理会社の言い分とオーナーの言い分が「備品等を残す残さない」でく食い違うことです。
管理会社は残すといったのに、オーナーは残さないといって処分費という追加料金が発生します。
オーナーとの取り決めを口頭で済ませたときに起こりやすくなっています。
「言った、言わない」の水掛け論を避けるために…
- 必ずオーナーと現地調査で立会う
- 確認事項はきっちり文書にして残す
施工時期が決まったら見積は早めに取っておく
店舗内装解体で成功するか失敗するかは、あるタイミングが大きく作用します。
それは…どの時点で見積を取り寄せるかということです。
店舗内装解体には、その性質上様々な制約があります。
- 店舗には返却期限がある。
- 借主は返却期限までに内装解体を済ませる。
- 内装解体は作業手順により工期日数が決まっている。
以上3つの要素が複雑に絡み合っているので、日程が押し詰まってから見積依頼するのでは遅すぎるのです。
日程がきつければ、業者に見積そのものを拒否されます。
- 引渡し日が契約期限を過ぎて違約金を取られる。
- 大雑把な工事でトラブルが発生しやすくなる。
店舗内装解体に失敗することがないように、施工時期を決めた段階で、見積は早めにとりましょう。
店舗移転する場合は、移転費用を計上するためにも、必ず早めに見積依頼をしましょう。
ぎりぎりまで営業するとコスト増大・トラブルリスクが…
注意5でもお知らせしたように、店舗返却には期限というものがあります。
契約上のことなので、返却日には解体を済ませて引き渡すのがあたり前のことです。
少しでも売上にしたいとの欲やお店都合から、ぎりぎりまで営業を続けたい気持ちが強いのもあたり前かもしれません。
ただ、工事期間余裕がないと、コスト増大・トラブルリスクが高くなるのは当然のことです。
- 突貫工事で無理が生じて工事ミスのリスクが高い
- 作業員を増やさないと間に合わないので費用が高額になる
- 夜間工事の騒音などで苦情などの近隣トラブルが起こる
以上のことから、店舗内装解体は余裕のある計画を作成することです。
どんなに遅くても、工事開始予定の1ヶ月前には現地調査で見積をとるくらいはしておきましょう。
什器や設備等は買取業者に買取ってもらう
什器やさまざまな設備類は、店舗を返却するときに何らかの形で処分が必要です。
- 飲食店:テーブル、椅子、厨房機器など
- 美容室:シャンプー台などの設備
返却が必要なリース類は別として、自分で購入したものは移転先で使いまわしたり、不用品買取や廃棄処分しなければなりません。
ただ、「忙しいから後でいいや」とか「面倒くさい」とかで、放置しておくと業者によって廃棄処分され、処理費用を請求されます。
使う予定のない什器や設備は、無駄なコストを増やさないために、自分で廃棄するかまたは買取業者に引き取ってもらいましょう。
設備類は高額商品もあるので、買取業者に引き取ってもらうと、解体費用に充当できるメリットがあります。
工事までに搬出できない場合には、間違って廃棄処分されないよう、事前に解体業者に念を押しておきましょう。
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