日常生活で、ある日突然生まれる空き家を守るには…
空き家はある日突然生まれるものです。
- 実家の親が介護施設に入居した。
- 実家の親が病気で亡くなった。
その時に同居している家族がいなければ、必然的に空き家になります。
放置すれば、火事・異臭・害虫・雑草・ゴミ・植栽巨大化のリスクが…
売却も考えたが、両親への罪悪感から二の足を踏んでしまう。
大切な思い出の詰まった家を守るにはどうしたらいいのでしょうか。
- 馬鹿にならない維持費⇒固定資産税・水道光熱費・樹木の手入れ
- 雨漏りが続けばシロアリ被害⇒屋根の修理等の老朽化対策が大事
- 空き家の利活用⇒@自己利用 Aリフォームして賃貸 B売却の3パターン
以上を踏まえて
「空き家を守る3つの基本」を説明します。
空き家を守る3つの基本
建物の老朽化を止める努力 | 整然とした空き家なら売却時、建物に100万円〜200万円の値が付きプラスに。しかし老朽化が進んでいると解体という選択肢しかなくなり土地代から解体費用をマイナスするので赤字になることもある。 |
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近隣住民とのコミュニケーションをとる | 植栽の手入れや家周辺の掃除など、自力でできることできないことを近隣住民に伝えることが大切。近隣とのトラブルを抱えないようにして、不動産会社が売りやすい環境をつくる。 |
ゴールを決めて専門家に相談する | たとえば1年後に売却すると決めたら、遺品整理を終える期限を設定して計画的に行動する。家具を除いて段ボール2〜3箱分を残してあとは思い切って捨てる。 |
Aの近隣住民とのコミュニケーションは特に重要です。
空き家を放置して植木が隣家にはみ出したり、ゴミが異臭を放ったりといった状態をそのままにしておくと、ほぼほぼトラブルになります。
近隣とトラブルになると、解体やリフォームの際に、工事車両の通行や測量などへの協力を拒否されるケースが多くなります。
売却する予定なら、価格に大きな影響を及ぼすので注意が必要です。
ご近所とのコミュニケーションは、こまめにとるようにして協力してもらえるような環境をつくると、空き家に見せないような状況を維持することができます。
空き家に見せない3つの秘策
郵便物をためないこと。郵便物は近所の人にお願いして、代わりにとってもらう。ただし、郵便物がたまるからといってポストをガムテープ等でふさぐのはやめましょう。 | |
玄関からのアプローチは常に除草を心がける。自分できないなら業者に依頼する。人の出入りがないと雑草が生えて伸び、明らかに空き家だということを宣言しているようなもの。 | |
近所の人に貸せる土地があるなら貸すこと。たとえば駐車場部分だけでも、知り合いにリーズナブルな料金で貸す代わりに、郵便物や窓の破損チェックをお願いするのもひとつの方法。 |
「60分でわかる ネットではわからない空き家問題の片付け方」の著者で住生活コンサルタントの大久保恭子さんはこう話します。
※2020年10/23号「週刊朝日」より抜粋
「家は貴重な社会的資源です。住み手がいてそこで生活を営み利活用されて初めて意義があるもの。住む人がいないなら売却すべきです。中には家を手放すのが忍びないという人もいると思いますが、そのような場合は庭の植木や灯篭、大黒柱などその家を象徴するようなものを一つ残して自宅に取り入れて、家を引き継いでいくと考えるのも良いと思います。」